So-net無料ブログ作成
前の10件 | -

茶番

一身上の都合で
歩き出していた
不埒な輩が
足をたたんで
畳に座り
神妙に
祈っている
つぶやいている
あしたを待って
じゃあそこで
おっぺけぺっと
またやっちまっった
いつもの茶番
それでも
とりあえずは畳みかけて
階段を一つ上ったから
ひそかにポンと
いつもの上に飛んでみよっ

(じ160103)

茶番.jpg

江戸時代の歌舞伎劇場の楽屋で、大部屋の下級役者の仕事であった茶汲み役を「茶番」といいました。当番になるといろいろ工夫を凝らして余興をしてみせる風習ができ、これが吉原など民間にも広まりました。
nice!(0)  コメント(0) 

火見櫓

ずいぶんもたついていたけれど
地球の零れ水が雲から
しぼり出されてくる
雨であるのか
雪になるのか
毬栗頭の小ぞうがひとり
黙って
火見櫓から眺めている

(じ160117)

火見櫓.jpg

火事の見張りをする「火見櫓(やぐら)」が最初につくられたのは明暦の大火の翌年(1658)のこと。幕府直属の定火消の屋敷に高さ3丈(約9メートル)のものが建てられ、江戸期には十か町に一か所程度建てられました。明治以降も残りましたが、建物が高層化した現代はあまり使われていません。
nice!(0)  コメント(0) 

煙突

白首の練馬大根を
すっと鉛直にひっぱって
背骨をぬいてゆく
秋刀魚の骨のように
硬直したプライドを
剥いでゆく
独りよがりの煙突から
いつのまにか煙が
のぼってゆく
少しだけ透明に
近づいて空に
融けてゆく

(じ151215)

煙突.jpg

煙突からの排出ガスは、ガスそのものの熱による浮力、煙突から排出されるときの吐出速度による運動量、外気の風速や気温などによって一定の高さまで上昇した後、風下側に流れていきます。
nice!(0)  コメント(0) 

刈田道

魚屋も八百屋も釣瓶落しかな

柿吊す茅葺屋根や雨宿り

秋深む字引に言葉拾ひをり

犀川に一番星や芒散る

影深く降ろし息つく刈田道

(じ161114)

刈田.jpg

刈田道は、稲を刈りとった田を通る道。畦では稲が干され、収穫を終えたあとのほっとした田園風景がありました。
nice!(0)  コメント(0) 

チョコレート

おそらくこの地は
一枚のチョコレートで
出来あがっている
バリッとひび割れ
引き裂かれ歪となって
卑弥呼も聖徳太子も
アインシュタインも
私とさして変わらぬ
遺伝子の設計図を
細胞に抱え込み
一枚のチョコレートを
渡っていった
生きているから
生まれくる
雲の影さぐりつづけて
ひび割れの味
力を込めて
星くっきりと

(じ160114)

チョコ.jpg

「チョコレート」の原料、カカオの木の原産地は中南米で、メキシコ先住民はこの豆を「神からの賜物」とよんで、飲み物や薬、さらには貨幣として利用していたそうです。
nice!(0)  コメント(0) 

枯葉

頭のなか塗りたくっても
白いカンバスのまんま
海馬から乱れ落ちた枯葉
掻き集めても
言葉の形象なし
きゅっと寒気が
寄せてきたというのに
婆さんの脳内宇宙は
相変わらずの
渾沌
並べようにも
滑り落ちる

(じ160113)

枯葉.jpg

「渾沌」(こんとん)には、混沌(カオス)を司る中国神話の怪物の意もあります。犬のような姿で長い毛が生え、目があるが見えず、耳もあるが聞こえず。脚はあるがグルグル回っているだけで前に進めず、空を見ては笑っていたとか。
nice!(0)  コメント(0) 

橅占地

曼殊沙華老母虚ろな眼の在りか

長き夜やゴッホ自画像描き居り

修験者の山のふところ蕎麦の花

したたかに生きる強さや橅占地

稲すずめ散らし手を振る街宣車

(り)

ブナシメジ.jpg

生きた木の根に生えるホンシメジと違い、ブナシメジ(橅占地)=写真、wiki=は、倒木や枯れ木など死んだ木から栄養を取って成長します。
nice!(0)  コメント(0) 

かなとこ雲

なにかをなすなんてことよりも
いきたいままにそこに在る
ってことのほうがずっと
生きているってことなんでしょう。
海に沈んで海月となって
山に登ってかなとこ雲をおよいで

(じ160209)

かなとこ雲.jpg

「かなとこ雲」=写真、wiki=は、発達した積乱雲の衰弱期に見られる雲。積乱雲の頭部がかなとこ(鉄床)のような形をしているためこう呼ばれます。雲頂は発達して圏界面付近まで達し、付近の強い風のため頂上付近の雲が水平に流されてかなとこ型になります。
nice!(0)  コメント(0) 

地道

騎馬の群れが裂けて
通り過ぎてゆく
地にひづめ
響く 響く
乾いた地道
徒労の荒地
報われることとは
無縁の砂漠
納豆巻に巻かれるように
頑なな地を渡ってゆく
待ち人のない
道の果て
続いているだけの地道の地

(じ160124)

道.jpg

たとえば城攻めのとき城内に通じさせるためのトンネルを「地道」と呼びます。また、大地に備わった道理、天道のことも意味します。

nice!(0)  コメント(0) 

カシオペア

さっきまで生きていたくないと
わめいていた惚けバアさまが
さらっと忘れて
黙りこみ
秋の天の川に目を遣り
ニヤリ
ほおのしわを緩ませた。
きょうのカシオペアは
妙に遠い
そして
硬そうである

(じ151227)

カシオペア.jpg

夏のにぎやかさとかわり、秋の空にはあまり明るい星は見あたりません。そんな中で、天の川にくっきりとWの字を描くカシオペアはひときわ目立って見えます。
nice!(0)  コメント(0) 
前の10件 | -